出張封印という言葉を聞いた事がありますか?
あまり聞きなれない言葉だと思います。
自動車の売買、譲渡などによる名義変更の際には、陸運支局などで名義変更の登録をして新しい車検証を発行してもらい、最後にナンバープレートを取付けて終了になるのですが、プレート取付けの際に、むやみにプレートをはずせないようねじの部分に封印をします。
通常この封印作業は、登録を行った陸運支局でしか行えません。
従って、ナンバープレートが変更になる名義変更の場合には、この封印作業があるため自動車を陸運支局まで持っていく必要があります。
名義変更登録のために時間が取れる場合には、当該車両を運転して陸運支局まで行けば良いのですが、平日の昼間にその作業をする時間を取れる方は少ないと思います。
そこで考え出されたのが出張封印という制度です。
変更登録に必要な書類を事前に陸運支局へ提出し、新しい車検証とナンバープレートをあらかじめ取得してから、プレートの取り付けと、最後に必要な封印作業を、ご自宅や会社などに出向いて行うことができるのです。
ユーザーの立場から見ると平日に時間を取られる必要もないし、法人などで複数台の車両を所持している場合には、何台もの車を陸運へ運ぶ必要がなくなるわけですから大変助かると思います。
この出張封印という作業は、ナンバー取付け業務を行っている陸運振興センター様と一定の契約を結んでいる、自動車登録業務に精通した行政書士だけが行うことができるのです。
先月、この契約を結ぶために必要な、県書士会の実務研修会に参加してきました。
研修会は陸運支局内で行われ、実際の車両を使って封印作業や、車体番号の拓本の取り方など専門的な作業を学んできました。
実は、私は今まで個人売買などで自動車を購入したことが何度もあり、その都度自分で名義変更手続を行っていたので、陸運支局での封印作業までの流れは経験済みでした。
ただ、その頃の封印は、確かハンマーを持った係りの方がいて、自分でナンバープレートを取付けてからその係りの方に「お願いします!」と声をかけて、ハンマーで封印を打ち込んでもらっていた記憶があったのですが、今の封印は指で押すだけで簡単にはまります。
「出張封印業務を行うためにはあのハンマーを所持するのか~」
「専門的でなんかカッコいいなぁ」
と少し期待していたのですが、その必要はありませんでした。
出張封印が行えるのは、埼玉県内のナンバー変更を伴う場合に限られます。
県内のナンバーは、大宮、春日部、所沢、川越、熊谷の5種類です。
川越ナンバーはいわゆるご当地ナンバーですね。
このナンバーの管轄市町村へ引っ越してこられた方や、埼玉県にお住まいで、他県ナンバーの車を購入された方などで、陸運支局までお車を運ぶ時間のない方は、この制度を是非ご活用ください。